ごあいさつ
NPO法人 下肢静脈瘤研究所 所長
お茶の水血管外科クリニック 副院長
栗原 伸久
くりはら のぶひさ
医療界での最新技術が発達は目まぐるしく、多くの疾患に対して低侵襲な治療がされるようになった。しかしながらこれらの治療は生じてしまった病気に対する治療である。
静脈疾患は、動脈疾患と比べてこれまであまり十分な原因究明がなされてこなかったように思われる。静脈疾患に付随する症状のみならず、外見上気になることで行動範囲が狭まっていくことはご本人にとっては有意義とは言えない。
今回、我が国ではじめて、静脈瘤疾患のエキスパートの方々と共にNPO法人下肢静脈瘤研究所をつくることになった。まずは静脈疾患で最も多い下肢静脈瘤の研究を進めていき、将来は下肢静脈瘤のみならず、静脈疾患全般に対する発生、病態、予後、予防そして治療法の選択、再発を防ぐ研究などを着実に進めていきたいと考える。
令和元年5月吉日
NPO法人 下肢静脈瘤研究所 理事長
お茶の水血管外科クリニック 顧問
岩井 武尚
いわい たけひさ
およそ10万年におよぶ我々現代人ホモサピエンスの歴史の中で、下肢静脈瘤は多分もっとも長い間「悩みの種」として存在してきたであろう。平均寿命の短かったつい最近ではあるが古い時代から、長寿になった近年を振り返ってみても、悩みは質的にも拡大しているようにみえる。二本足歩行の楽しみを減少させるものであり、本人ばかりでなく、他人の目も気になる代物となってしまった。
ここに、我が国ではじめて、下肢静脈瘤の臨床の中心的クリニックの関係者の方々と共にNPO法人下肢静脈瘤研究所をつくることは大きな意味がある。血管内治療が全盛の今こそ、初心にもどって下肢静脈瘤の発生、病態、予後、予防そして治療法の選択、再発を防ぐ研究などを地道にやっておかねばならない。リサーチマインドを駆使して、全人一団となって努力したいものである。
令和元年6月吉日